■上腕骨外科頚骨折 外転型

発生機序…肩外転位で手掌、肘を衝いて転倒
骨片転位…近位骨片は軽度内転位
     遠位骨片は、前内上方、軽度外転位
鑑別疾患…肩関節前方脱臼
好発年齢層…高齢者
腱板損傷…棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋

整復前の確認…腋窩動脈(橈骨動脈)、腋窩神経の確認
腱板損傷テスト…有痛弧(painful arc)、挙上時雑音(crepitus)、drop arm sign、impingement sign

背臥位として、腋窩に手挙大より大きめの枕子を挿入し、

第1助手に帯などで上内方に牽引、固定させる


第2助手は、肘関節直角位で
上腕下部及び前腕下部を把握する


術者は両手で遠位骨片近位端を把握する

※対向牽引が遠位骨片骨軸方向に正しく行う


第2助手に抹消牽引させながら徐々に上腕を外転させ
短縮転位を除去し両骨折端を離開させる


牽引を緩めず、遠位骨片を内転させ
同時に術者は、両手で遠位骨片近位端を外方へ引き出し
内方転位を除去する


牽引を緩めず、術者は手を持ち替え
小指球を遠位骨にあてがう

 


遠位骨片を前方に挙上させ 

同時に術者は、小指球にて遠位骨片近位端部を前方より直圧し
前方転位を整復する
固定…肩関節外転30°水平屈曲30~40°肘関節90°
   前腕中間位で固定(約5~6週)肩の麦穂帯